一番近くに君が居る
男子の夢だからもちろん男子の直哉も喜ぶの図式が出来た事で、きっとココは着るだろうと久代は思った。そしたらどんな髪型にしてあげようかしら、どこに浴衣しまっておいたかしらと色々思い巡らせているとそこに、思いもしない返答がされる。
「じゃあいいや。やめとく」
「そう、やめとくの…え?やめとくの?」
驚いて目の前のココに目をやると、いたって真面目な表情でココは言う。
「うん。だって直哉、男子の夢あんまり好きじゃないみたいだから」
「だから今日は普通ので行く」すでに笑顔に戻っているココはそう言って、「よし、何着るか決めなきゃな~」と楽しそうにした。久代は色々と思う節はあったが、まぁ本人がそう言うならと内心少しガッカリした。
そして午後、久代とココは色々クローゼットから出しては着て、また出しては着て、ファッションショー並みに服装決めに力を入れた。
結果、結局はお気に入りのピンクで小花の刺繍がされているワンピースに決まり、なんだかんだでお気に入りを着るのが一番だねと、二人で納得しあったりする。