一番近くに君が居る

それからまた色々身支度をし、そろそろ18時も近くなると直哉から『今から家出るからな!』というメールが届き、「直哉もう家出るって!」と久代に報告する。


「あら、そしたらもうすぐ来るわね。ココちゃん忘れ物は無い?」

「大丈夫!久代さん髪の毛ありがとう、すごく可愛い!」

「ふふ、いつも通りじゃワクワクと釣り合わないものね。簡単にだけど、きっと直哉君驚くわよ」


いつもと違い、今日は髪の毛をハーフアップにしたココがそこにいた。スッキリさせるだけでだいぶ印象が変わるんだなと、ココは驚く。いつもより少しだけメイクにも力が入ったりして、ワクワクと釣り合うっていうのはこういう事か!と、ココは思った。

そしてサンダルはこれを履くから…と確認しているうちに、ピンポーンと鳴り響くチャイム音。直哉が迎えに来たのだ。
ココが玄関のドアを開けると、そこにはいつもの制服とは違い、ジーンズにTシャツというラフな格好の直哉が居た。


「直哉久しぶりー!」


満面の笑みで迎えるココに驚きつつ、すぐに笑顔で直哉も「あぁ、久しぶり!」と答えた。奥からスッと出てきた久代に「あら、直哉君は相変わらず格好良いわねぇ」なんて言われ、いやいや、とはにかんで見せる。
そして二人は「いってきまーす」と、神社へ向かって出発した。
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