一番近くに君が居る


「え?」


ココは友美の言葉でハッとすると、思わず隣の席に向かって身を乗り出していた自分の状態に気がつく。


「ハハッ、ちょっと気になって…ごめんごめん」

「でも咲も分かるよ。まさかマネとは思わなかったもんね。だって友美、部活やってたタイプでしょ?」

「そう、やっぱわかる?って、色黒いし分かるか。あたし中学でソフト部やっててさぁ。でもここソフト部ないし、だったら野球部でマネすんのも有りかなと!…で、ココは?なんか入るの?」


突如尋ねられ、人に聞いたクセに自分の事をすっかり考えていなかったココは、「え?わたしは~…うーん…」と、モゴモゴと呟きながら考えた後、「うん。まだ決まってないや!」なんて清々しく答えた。


「そんなに清々しく答えられるとなんだか気持ちがいいわ、なぜか」

「咲的に、清々しさがココの持ち味だと思う…あ、来たよココ」

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