一番近くに君が居る
そんなココの言葉に「いや、どこって…篠宮さんが連れて来たんだろ?」と、長田は呆れたように答えると、ココはそうだった…!と、その場を離れる事で頭が一杯になり、すっかり忘れていた事実を思い出した。
「ご、ごめんね長田君!そうだったね、ここまでわたしが引っ張って来ちゃったんだった!手、痛くない?」
そう言ってココは繋がれたままの長田の手へと視線を移す。すると長田は「い、痛くないけど離してくれ」なんて、照れたように少し横へと顔を逸らして言ったのだが、ココはそれが迷惑しているのだと捉え、「あ、ごめん…」とションボリしながら手を離した。
そしてふぅ、と一息つき、ようやく冷静な思考を取り戻したココは、またも申し訳なさそうに長田へと向き直る。
「そういえば長田君、誰かと来てたよね?ご、ごめんね、それなのに急にこんなとこ連れて来て…」
「…あ、あぁ。別にいいけど…驚いた」
「そうだよね…わたしも咄嗟のことで…驚いた…」
「……」
「ここどこだろう…」
「……」
「直哉も驚いたかな…でも仕方なかったしな…わたし行きたく無かったし…」
「……」