一番近くに君が居る
恋…?恋してる…?
流石のココでも、その言葉の意味が分かった。恋してる…直哉が、わたしに…
直哉の伝えたい想いを理解したその瞬間、ココの頬は急に熱を帯びる。
え、待って。そ、それって…
「わ、わたしの事、直哉、す、好き…な、の?」
一瞬にして赤く染まったであろう火照る頬を両手で隠すようにして、ココはついたどたどしくなってしまう言葉で直哉に尋ねた。
すると目の前の直哉は優しげに微笑んで、「あぁ」と答える。
「俺はココが好きだ。ココの声が好きだし、雰囲気が好きだ。いつもひたむきな姿が好きだ。すごく可愛いと思うし、ココが悲しんだり苦しんでるのを見るのは辛い」
直哉は全てを告げようと決めていた。ココに自分がどう思いどう感じているのかを。どれだけココの事を想っているのかを。
「あの約束より前から…今思えば、俺はココが好きだった。ココは泣き虫だった。だからこそ俺が支えてやらないとと思ったけど、あの日ココは泣かなかったし、あれからココは泣かなくなった。いつも笑ってた。そんなココが気になってたけどココは何も言わなかったし、俺が傍に居る事をただ喜んでくれた。だからそれで良いと思った。ココが望むようにしようって。本当にダメなら言うだろうし、逆に望みがあるならそれも言うだろうし。だから俺はココの気持ちが動くまで待とうと思った。…だけど、」
「……」
「…やっぱり、このままでいて他の奴にとられるのは嫌だ。ずっと大事に想ってた、ずっと傍に居たココを他の奴に譲るなんて出来ねぇ。したくねぇ。ただそれを待つなんて、そんなの無理だ」