一番近くに君が居る
ココは答えていないが、翔はココの気持ちを理解したていで話を進めた。
「前に友達におまえと直哉の関係の話であり得ないって言われたんだよな?おまえの言葉は全て直哉の一番が自分だという前提で成り立ってる。だから他人にはお前の言葉はいつまでも聞いてて現実味が帯びないんだ。何故かっつーと、男女間では普通、一番傍は友達じゃねぇんだよ」
「……」
「人に寄るもんだとか、直哉は違うとか思ったか?でも考えてみろよ。最終的に結婚するのは友達か?恋人か?別の奴と結婚したアイツの一番傍に居るのは誰だ?」
そこまで話して翔は「ま、それは流石にぶっ飛びすぎた話かもしれねぇが」なんて呟く。
「つまり、だから友達ってのは一番近い訳じゃねぇっつーことで、おまえらの今の関係はもっと先から見たら所詮幻みたいなもん…いや、断定はしねぇよ。ただそれくらい危うげなもんだ」
「幻…」
現実のものでは無いと、そういう事を言っているのだろうか。わたしと直哉の関係を。今までの、ずっと一緒に居た日々を。