一番近くに君が居る
それには流石に翔も呆気にとられてしまう。ハッとした時には、え、オレ今何の話した?なんて自分自身を疑ってしまうくらいに、だ。
しかしココには筋が通った発言なのだ。その答えをココは告げる。
「だって、翔君はわたし達と他人じゃないでしょ?」
ニッコリと微笑んだココは、いつも以上に嬉しそうな様子を見せる。
「ありがとう。わたしは翔君が考えてくれて嬉しいの。翔君の言う事は変な事じゃないし、いつも思いやりを感じるから正しいんだと思う」
そして「これからも色々よろしくね!」と言うココに、もう翔は何も言えなかった。言えなかったがただ…少し、少しだけ、良かったのかなと自分の行為を許してやる事が出来るような気がした。
それからまた歩き出し、駅へと向かい始める二人。駅が見えて来た所でココは、「ねぇ翔君」と再度声をかけた。
「わたしね、なんだか分かった気がするの」