一番近くに君が居る
「な、直哉、わたし、直哉にお願いばっかなのっ、辛くなっちゃうのっ、知らない振り出来なくなっちゃったのっ」
「……」
「直哉を、直哉を好きなんだって思っちゃったらそんなのばっかになっちゃうのっ」
「……」
「も、求め過ぎちゃダメなのっ、分かってるのに、ちゃんと分かってるのにそんなのばっかりでっ、そしたら、そんなわたしじゃあきっとまた終わりが、終わりが来ちゃうのにっ、もうお別れはいや、」
「大丈夫だ」
もう一度、直哉はココの身体を抱き締めた。強く、強く、ちゃんと自分の想いが伝わるように。
「大丈夫。俺は居なくならない。ココの傍に居る、ずっと居る。ココがそう望んでくれるなら、ずっとココの想いに答えるから」
「…で、でも、わたしが沢山願っちゃったら、直哉の気持ちを超えちゃったら、そしたら直哉はきっと、」
「大丈夫だって。今だって、ずっと前だって、俺はココ以上に想ってる。むしろそれくらい想ってくれてやっと釣り合うぐらいだ」
その言葉で、ココの口はピタリと動きを止める。ココが何を思ったのかは分からない。しかし直哉はココの言葉を信じて待った。