一番近くに君が居る


ジロリと翔を睨んで答える直哉。ココは「手?…あぁ!」と、ようやく状況を理解した。


「あのね、わたし直哉が好きなの!」


なんて、ココはピッカピカの満面の笑顔で突如告げる。
突然の事に三人は思わずワンテンポ遅れを取るが、すぐに笑華が「そ、そっか。それは良かった」なんて相槌を入れる。するとココは嬉しそうに笑ったまま「そうなの!」と口を開いた。


「わたしね!いつか直哉と結婚するの!」

「はぁ⁈ 」


すると、目を剥いて驚く目の前の二人。…と、隣の直哉。

それを確認したココが「え?違うの?」と、不安げに直哉に尋ねると、直哉はハッと我に返り、「あ、あぁ、そうだな。そうだな」なんて平静を装いつつ答えた。そんな直哉にまた二人は驚かされる。


「ずっと一緒にいるのは結婚したら友達じゃなくてわたしだもんね!そういうことなの!」


これは以前翔が言った言葉への返答だろう。翔はすぐにピンと来て、驚きながらも「そうか、良かったな」なんて笑った。

何にせよ、二人の関係は今日変わったのだろう。それがココの幸せそうな顔から伝わって来て、ホッと一息ついた笑華と翔だった。

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