一番近くに君が居る

「ふーん」と答えつつ、ピンと翔は勘づいた。これは何かあるぞと。


「何？ダチか？」

「…うーん…分かんない。でも多分、わたし好かれては無い」

「？、なんで？」


するとココは溜息をついた。どうやら心を落ち着かせようとしたらしい。そんなココの様子を窺いながら返事を待つと、ココはそっと口を開いた。


「だって、元カノだもん」


「直哉の」と告げられたまさか事実に、流石の翔は呆気にとられてピタリと固まってしまった。