一番近くに君が居る
ココのうちから学校までは徒歩で15分くらいの距離で、直哉の家からは大体20分といったところだ。どちらにしろ歩いては行けるのだが、毎日となると意外と長いもので。
「あー、俺もチャリにしようかなぁ」
学校周辺に近づくに連れて増える自転車に乗る同じ制服を見て、直哉は呟く。
「え?そうなの?そしたらわたしも、」
「やめろ。それは絶対にやめろよ」
「えーっ!なんでー⁈」
「なんでも何も目に見えてんじゃねぇか。転んじゃったーなんて言って血だらけでヘラヘラしてそうだよな、ココの場合」
「そんなことないよ!血だらけだったらさすがに痛いよ!」
そんなココの返答に「いやいや、そうじゃなくて!」と言いつつ、やっぱり絶対一人で乗せられないと心で頷ぐ直哉。
「お、牧おはよー!」