一番近くに君が居る
入学から2週間しか経っていないにも関わらずだ。相変わらずの人気者っぷりを発揮している直哉に、ココは毎回感心させられる。
「んなことねぇよ。みんな同じクラスだからそりゃあ仲良くなるだろ。ココも友達出来ただろ?」
「うん。でも直哉程じゃないけど…って、そうそう。そうなんだよ!わたしも友達出来たんだー!」
そしてニコニコと笑いながら「昨日はね、」と、新しく出来たら友達の話をし始めるココに直哉はホッと胸を撫で下ろす。
中学生の頃は同じ小学校の仲間が多く居たし、直哉か、いつもココと直哉と三人で居た姉御肌の笑華のどちらかが奇跡的にも3年間同じクラスだった。
しかし今回、地元の高校ではあるが随分と知った顔が減り、仲の良かった笑華も違う高校になってしまった。
(というのも、笑華はすっかり中学時代に喧嘩に目覚めてしまい、地元では喧嘩で右に出る者が居なくなる程までに成長した後、名を上げるなどという意味不明な理由から違う地域の高校へ通うことになった事が理由なのだが)
そして更に折角同じ高校であっても直哉ともクラスが離れてしまい、ココ自身新しい環境で上手く出来るのかと直哉はとても心配していたのだ。