一番近くに君が居る

ギクリと直哉はする。

ま、まさかアイツ、昨日の事ココに言ったんじゃっ…いや、でもまだココと佐久間は会って無いはずだから…!、メールか!わざわざアイツ、このことメールして…いや、いやいやでもアレだ、ココは俺の色恋沙汰は特に興味が…

そこまで考えを一瞬にして巡らせ、ズーンと今度は落ち込んだ。

「直哉?」と訝し気にこちらを見るココをまるで遠く感じるが、こんなことでへこたれるような鍛え方はしていない。そうだいつものことじゃないかと直哉は自分を奮い立たせる。


「…そうだな、一番傍に居るな」


なんとか直哉は平静を装い答える事が出来た。しかしココの心はまだ晴れない。

「じゃあさ」と、直哉を睨んだまま、ココは口を開いた。

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