一番近くに君が居る


そしてそのまま「それじゃね!」と、慌てて教室へ入ろうとするココに、直哉は「ちょっと待て」と声を掛ける。するとその声に忠実にピタッと動きを止めたココは、再度慌てて直哉へと向き直った。


「ちょっと手ぇ出せ。手」

「?、はい」


スッと差し出されたココの掌に、直哉はポケットから取り出したものを乗せる。


「…?飴?」

「そう。残り3つ!ココにやるよ」

「え!3つもくれるの?いいの⁈ 」

「おう。元気が出る魔法の飴だぞ!」


なんて直哉がニッと笑ってみせると、ココは不服そうに「もう子どもじゃないもん!」なんて言いつつ、飴を一つ口にいれた。




< 9 / 306 >

この作品をシェア

pagetop