一番近くに君が居る
そしてそのまま「それじゃね!」と、慌てて教室へ入ろうとするココに、直哉は「ちょっと待て」と声を掛ける。するとその声に忠実にピタッと動きを止めたココは、再度慌てて直哉へと向き直った。
「ちょっと手ぇ出せ。手」
「?、はい」
スッと差し出されたココの掌に、直哉はポケットから取り出したものを乗せる。
「…?飴?」
「そう。残り3つ!ココにやるよ」
「え!3つもくれるの?いいの⁈ 」
「おう。元気が出る魔法の飴だぞ!」
なんて直哉がニッと笑ってみせると、ココは不服そうに「もう子どもじゃないもん!」なんて言いつつ、飴を一つ口にいれた。