ちょっと危険な童話① 赤ずきん
ココをまっすぐね…って、もうすぐじゃねぇか!!いけねぇ、いけねぇ。
そう思い、あわてたオオカミはいいことを思いついた。
「あっちに」
と、オオカミは右の方を指差した。
「ハーブのいろんな種類が咲いてるから、つんでいくといいよ。きっとおばあちゃんも喜ぶだろうね」
オオカミが言った言葉に赤ずきんは迷った。
どうしよう。
お母さんに、寄り道はせずに行ってらっしゃい、って言われたのに、いけないわ。
…でも、少しでもおばあちゃんに喜んでほしいから、サプライズということで、少しだけつんでこうかな。
そう思った赤ずきんは、オオカミにこう答えた。
「じゃあ、少しだけ。教えてくれてありがとう」
「いいよ、いいよ。じゃあね~」
…いい人そうでよかったわ。
さて、早くつんでしまっておばあちゃんの家に行かないと。
赤ずきんはオオカミに教えてもらった方向へと、かけ出した。
でも、オオカミは赤ずきんが思っているほどいい人ではなかった。