私の執事は同級生!?(仮)
入ると同時に視界に入ってきたのは翔と女の子たち。

女の子たちは私を見つけると、一睨みしてまた翔に向きなおった。

…私、いつの間にか恨み買っちゃったのかな。


「おはよー、悠乃!」


横から声をかけられた。

声をかけてきた女の子。

顔は見たことがある気がする。

そうだ、昨日声をかけてくれた子だ。

名前は…確か中島綾ちゃん。

あ、でも『ちゃん』付けはいやだって言ってたから…。


「えと…、おはよう、彩」

「お、やっと名前だけで呼んでくれた」


うれしそうに彩が笑う。

笑窪ができる笑い方で、かなりかわいい。


「昨日みたいに、また龍神君見てたの?

悠乃もあの集団の中に入ってくればいいのに」


前のめりになって私の顔を覗き込む。

近い…。


「別にそういうのじゃないから…」

「じゃあなんで見てるの」

「それは…」


あの女の子たちが鬱陶しいから。

ただ翔に近づいてほしくないだけ。


「やっぱり恋する乙女?」

「違う!それは断じて違う!」


立ち上がってまでいうものだから綾が心底びっくりしたように目を大きくした。

もともと大きなパッチリ二重がますます大きくなる。


「まぁそこまで否定しなくても…。

確かに龍神君はかっこいいけどさぁ…」

「じゃあ、彩はどんな人が好みなの」

「私?私は断然年上!

同い年ではちょっと足りないかな」

「ふぅん…」


やっぱり人によって好みは違うんだ…。

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