逆らわない
電話の向こうで、畠山君が微かに笑む気配が感じ取れた。

『どんな理由があろうと…入浴中でもトイレの中でも、僕が電話をかけたら3回コール以内に出る事…そう言ったよね?』

「は…はい…ごめんなさい畠山君…」

彼は怒った時でも声を荒げない。

淡々と、寧ろ怒った時ほど冷静に言葉を紡ぐ。

その声音の低さが、余計に私の恐怖を煽った。

「次からは気をつけるから…」

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