逆らわない
…人間の価値観というのはそれぞれだ。

私のこの時間の浪費の仕方も然り。

他人から見れば、折角の自由に使える時間を部屋に閉じこもりきりというのは無意味に見えるかもしれない。

しかし私にとっては、何よりも、どんな事よりもスリリングで刺激に満ちた時間の使い方なのだ。

…目の前の携帯を見つめる。

これは私の彼氏…いえ、私の『主』が選んでくれたものだ。

世間的には、彼は私の恋人という事になっているが、その実、私と彼を繋ぎとめているのは愛情ではなく主従の関係。

厳格な上下関係の下、私と彼は繋ぎとめられている。

如何なる理由があろうとも、私は彼には逆らえない。

いや…逆らわないのだ。

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