逆らわない
そんな彼が選んでくれた携帯。

赤い携帯。

ストラップはシルバーのチェーン。

『安西先輩には赤がよく似合いますから、これにしましょう。ストラップも選んであげますよ』

そう言って彼は、私の唇に触れそうなくらいに顔を近づけて薄く笑みを浮かべた。

『束縛の象徴のチェーンと、エロティックな雰囲気の革のストラップ…安西先輩はどっちが好きですか?』

意地悪な彼の言葉に、頬を赤らめてチェーンの方を指差すと。

『束縛の象徴を選ぶんですか?安西先輩は何ていうか…』

意味ありげに彼は笑った。

私を嬲るように、辱めるように…。

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