幼なじみって言わないで
子供の頃のハナシ
「しゅんくんっ」
大好きな彼の名前を呼ぶ。
「れいちゃん!」
彼も私の名前を呼ぶ。
でも、もう今日でそれもおしまい。
最後になってしまう。
「玲衣ちゃん、ボク、ずっと大好きだから!」
「うん…! 玲衣も、玲衣もずっと好きでいるっ」
「大きくなったら、絶対玲衣ちゃんのとこに、帰ってくるからね」
「うんっ。絶対! 約束!」
「うん、絶対!」
そう言葉を交わして、瞬くんを乗せた車は走り出す。