幼なじみって言わないで
「名前とかわかる?」
それでも何だか気になって、訊ねてみた。
「シンだよ。私の一番のお気に入りっ」
―――――――『シン』
・・・なんだ。
瞬君じゃないじゃん。
って当たり前か。
似てる気がしたのも気のせいだよね・・・。
「てか、もうこんな時間じゃん! 玲衣、帰ろ」
気がつけば、もう日が沈みそうだった。
志穂が帰ろう、と私を誘う。
「うん。帰ろっ」
その日はなんだか疲れていて、
寄り道もせずに、二人ともまっすぐ家へ帰った。