小さな恋の物語
「迷惑かけてごめん。」
麻に深く頭を下げた。
「慣れてるし大丈夫だよ。」
平然と答える麻に胸をなで下ろした。

家に帰り、自己を省みる。
軽すぎた自分に腹が立った。

でも、もうこの時にはすでに
正に恋をしていた。
いや…でもこれは錯覚だった。

正にとって都合のいい女だった。
それから何度か会ったけど
会う場所はいつもホテルだった。
正はあたしを呼ぶけど
好きなだけ飲ませてくれたし
飲み代もホテル代も
正が払ってくれて
ガソリン代や駐車場代まで
払ってくれてて
大人な感じがしていた。
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