罪を憎んで…明日の章…
――、

椅子に座って眠っている実を見る明日香。

「……」

頭の傷は、パイプ椅子の折り畳みにある金具で運悪く傷が深く入ったんだろうって言われた…。

…私が気付いた時には、もう椅子は振り下ろされかけてた…。

実さんは、私の頭を手で覆って、覆いかぶさるようにして盾になってくれたらしい…。

あんなとっさに…なんで…

私は、…あなたを殺そうとしてるのに…

「…全然動かない…まるで、もう…」

明日香は、実の顔に向かって、そっと…と手を伸ばす。

そして、軽く鼻を覆った。 
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