青い星と青虫と
それをきいて小夜は難しい顔になって何か考えているような素振りになった。
「ねぇ、もしかしてうちのお母さんが病気になるように仕組んだとかしてない?
ごめんなさい。
あまりにお膳立てされすぎてて・・・つい。」
「まさか。予知能力です。
私たち獣妖怪は予知能力があります。
こちらでいう地震が起こる余地も前日には完全にイメージ化できてしまうのです。
小夜ちゃんがここへやって来ることは3カ月前にはわかっていましたから、何人かで生徒会へもぐりこみました。
それとカラス妖怪の浪黒(なみくろ)は幻術が得意でね。
我々のような新参者が、まるで古くから町に住んでいるかのように人々に印象づけました。」
「すごいね。それはこっちの人たちの安全のためなのね。」
「もちろん。・・・あっまずいな。小夜ちゃんのおかあさんが。」
「まぁまぁ・・・こんばんわ。
今朝はどうもありがとうね。
小夜、こんなところでお話してるならお茶でもあがって召し上がってもらいなさいな。」
「お母さん、あのね・・・」
「そんなお気を遣わないでください。
ここでいつも私は星を見るのが趣味なんです。
たまたま、今夜はお嬢さんが先約で・・・。」
「あら、ごめんなさいね。
この子おじゃまじゃない?
星を見るなんて柄でもないくせに・・・。」
そして小声で母は小夜につぶやく。
「相楽さんって近くで見るとイケメンね。」