青い星と青虫と
ギガフはすぐに阿狼から魔力を吸収し始めた。


「くっ・・・魔力だけならと思ったが、この苦痛は体術にも影響しそうだ。」



「ふふふ、暴れん坊の狼ならばダメージはなかったのかもしれんがな。
今のおまえにはつらいはずだ。
魔力主体の王族の魔力は本当に美味だな。あはははは。」



阿狼はだんだん意識が遠のいていく気がした。


(まずいな。王族になれば魔力もハンパない力だからとあいつをなめていたかもしれん・・・。
でも、魔力を吸収するだけでは致命傷は与えられないはず!)



意識が薄らぐ中で、小夜の声が阿狼の頭に響いた。


「阿狼さん、聞こえる?
白陽さんはもう大丈夫よ。すぐ、そっちに行くわ。」



「だめだ・・・来てはいけない。
来たら、食われる!」



「大丈夫よ。それより阿狼さんの方が苦しそう。
もしかして魔力を取られて体に力が入らないんじゃ?」



「姫に隠し事はできないな。
力は入らなくても闘うさ。だから・・・」
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