青い星と青虫と
小夜はふくれっ面になって阿狼をにらみつけた。
「もう狼さんじゃないんですからねっ!
って言っても・・・まだ慣れないよね。
私が生まれたときから、敬語生活してるんだもん。
だけど、ちょっとだけお願いをきいてほしいの。王様。」
「な、なんなりと・・・あ、また。
他の者には王として命令できるようになったんですが、あなただけには・・・。
あ、失礼しました。願いとは・・・?」
「こっちのお母さんのこと。
本人は、ひとりで平気だから私は阿狼さんとルナドルートへもどれっていうんだけど、私にはそんなの・・・。
体だって心配だし。かといってルナドルートにはまだ魔物や危険なものがいるし、人間の世界でないと生きていけないと思うし。
だから・・・ね。」
「わかりました。小夜さんの好きにしていいです。
人間の寿命は我々よりずっと短いもの。
あなたがルナドルートと行き来することすればいいことです。
ただ・・・」
「ただ?」