青い星と青虫と
ルナドルートの城
翌日、小夜が登校すると同じ学年の生徒たちが小夜に向かって「書記おめでとう」と声をかけた。
小夜は阿狼たちがそういうことにしてしまったことを察した。
話をあわせて、お礼を言って回る。
中には生徒会役員の男子に気をつけるようにとまで言ってくる生徒もいて、小夜は苦笑いするしかなかった。
((阿狼さんって、学校の女ったらしみたいな評判なんだ。))
放課後、生徒会室に小夜は向かった。
「やぁ、いらっしゃい。
王子様がお待ちかねだよ。」
「えっ?」
「あはは。君が阿狼を見る目は王子様を見てるみたいだなぁ~~と思ってね。
僕も同じ狼の一族としてそんな熱いまなざしで見られてみたいよ。」
「へっ・・・中家先輩もオオカミさんなんですか?」
「もう。姫さんなら気付いてよ。
ほら美しい純白のしっぽが見えないかなぁ。」
「ええっ!見えないとダメなんですか?どうしよう・・・。
中家先輩は人間に見えてしまう。どうしよう。」
「あはははは。小夜は最高!かわいい。
僕は器用な方なんでね。
しっぽなんて見せるわけないだろ。
あっちの世界へ行ったら見せてあげるよ。」
「おい!市狼。狼妖怪の一族なら身分をわきまえろよ。
そんな馴れ馴れしく・・・」