青い星と青虫と
市狼はいたずらっぽく笑って、小夜の後ろへとまわる。
「小夜、銀狼って身分は狼族の中でいちばん高いんだけどね。
融通がきかなくて、不器用なヤツが多いんだよ。
僕はかたっ苦しいのが嫌いでね、楽しく付き合いたい人なのさ。
小夜は、そういうのって嫌?」
「悪気なく親しみをこめて付き合えるなら嫌じゃないですよ。」
「うんうん、小夜ならそういうと思ってた。
こういう口調でも僕はチャラオじゃないからね。
けっこう真面目だったりする。
だから風紀委員をまとめてるんだからね。
それと、放課後僕も用心棒としてついて行くから安心して。」
「え・・・」
「おや?阿狼と2人きりがよかった?」
「いえ、そんな。
中家先輩もぜひ、いっしょに来てください。」
「うんうん。そういうと思ったよ。
じゃ、10分後出口でね。」
小夜は下校する用意をして、阿狼と結界の出口へと向かった。
かばんや持ち物を指定された穴の中に入れる。
「へぇ、これなら学校が閉められちゃっても荷物が取り出せるってわけね。」
「ああ。身につけているもの以外はいりません。
もちろん携帯電話もね。
用意はいいですか?」
「うん。」
「OK!」