青い星と青虫と
市狼は背中から白い薙刀を取り出して振り回した。
いつもの軽いノリの一朗とは違って、2頭を交互に切りつけ、弱ってきたところで2頭の間に爆弾を投げ込んだ。
小夜は阿狼と小高い岩の上から成り行きを見ていたが、恐竜の爆破のときには阿狼の胸にしがみついた。
「もう大丈夫ですよ。」
「うん。」
「どうよ、僕の勇姿もなかなかだろ。」
「うん、すごかった。で、いつもあんな怪物を倒して歩いてるの?」
「ああ。あいつらは妖精や妖怪の類ではないからね。
実体化した化け物で、おそらくもともとはあっちの世界でいうところの犬とか猫のようなペットが変化した姿なのかもしれないとこちらの学者は言っている。」
「ペットがあんなのに?」
「そうです。そして、人間はあの化け物たちによって喰われていった。」
「そんなぁ。じゃ、この世界の人たちがいなくなっちゃう!」
すると市狼がクスッと笑いながら言った。
「完全になくならないようにするのがお姫様の役目だよ。
王族の持っている不思議な力によって、姫が選んだお相手はずっと人の姿を維持できるようになり、この世界の王となる。
そして子孫繁栄を繰り返す。
ってことで・・・僕をエントリーしてみませんか?」
「えっ!?・・・そ、それは告白と受け取っていいのでしょうか?
そ、そんな急に言われても、説明を今きいたばかりだしぃ・・・」
「あははははは。姫は真面目だねぇ。」
「こら、市狼。そういう冗談は!」