青い星と青虫と
阿狼はすぐに剣を担ぐと学校の結界近隣まで走ろうとして、千夏に止められた。
「結界には市狼がもう待ち構えてるわ。
化け物の目的は・・・わかってるわね。
あなたは慌てないで!
小夜さんをしっかり最後の最後まで守りぬくのが任務でしょ。」
「わかった・・・」
しかし阿狼は、もし結界前で市狼が苦戦でもしたら・・・?と考えてしまうといてもたってもいられない気持ちだった。
「阿狼さん?化け物は私の方に向かってやってくるんですよね。
だったら・・・阿狼さんも市狼さんのフォロー行ってください。
結界は絶対破られてはいけないんでしょう?」
「でも私は・・・小夜さんを守らないと。」
「私も行きますから。いっしょに行きましょう。」
「それはいけませんわ。姫がご自分で化け物に会いに行くなんて!
小夜さん、どうかなってしまわれたのですか?」
「いいえ。化け物の目的は私でしょう?
私に向かって突っ込んでくるところを阿狼さんと市狼さんとで粉砕してくれるに決まってるじゃないですかぁ。」
「な・・・・っ。小夜さん・・・。」
「私は市狼さんも阿狼さんも強いのを知ってますから。
大丈夫ですって。」
阿狼はウンと頷くと、小夜を連れて結界近くまで走っていったのだった。