青い星と青虫と
家に入ると、紫音からもらったカードを母ももらったらしく、テーブルの上に置いてあった。
「お母さんもこのカード?」
「ああ、大家さんの親戚の息子さんがね、商店街の向こうにある美容院で働くことになったらしくて。
以前は東京でプロの芸能人とかモデルさん相手の美容師もしてたとかでね。
私とおんなじなのか療養みたいなこと言ってたわ。」
「療養生活?・・・? ((それで私とキスを・・・。そんな・・・))」
夕飯後、めずらしく呼鈴が鳴った。
阿狼が表向きだが、星がきれいだからと裏庭へ誘われた。
「正直に言ってください!
化け物の残骸があったし、小夜さんから・・・嫌な気配も感じます。
何があったんですか?
夕方何ともいえない寒気がしました。」
小夜は知らない男とキスしてたなんて阿狼に言えるわけもなく、俯いて黙ってしまった。
「私には言いにくいことですか?」
阿狼には絶対言えない・・・しかもまだ思い出すとドキドキしているなんて知られたくないと小夜は頭を下げた。
すると阿狼は小夜を抱きしめ、耳元で囁く。
「私に合図もなしに帰らないでください。
生徒会室で待っててくれていると思っていました。
守ってあげられなくてすみませんでした。」