青い星と青虫と
翌朝はアパートの前の道に生徒会長の姿はなかった。
小夜は恐る恐る登校すると、生徒会室へと向かった。
鍵は開いていたのに、役員は見当たらない。
「無用心じゃないのかなぁ・・・。誰もいないなんて。」
「出て行ってくださいって、私がみんなに頼みました。」
「えっ??」
「どれだけ鬱陶しいと思われようが、離れません。
用件は以上です。
小夜さんの机の上にしてほしい仕事は置いてありますから。
では、お先に教室へ行かせてもらいます。」
阿狼がさりげなく小夜の横を通り抜け、生徒会室を出て行った。
小夜が書記の仕事をしている机の上を見ると、掲示予定の色画用紙と今日配布するプリントの下書きとが乗せてあった。
下書き原稿に目を通していると1枚メモが多くはさんであり、
『どうして姫のビンタは紫音には発動せず、私に発動したのですか?
私は不服です。
だから寝る時間を削って、プレゼントを作りました。
指にはめれば見える人にしか見えないはずですから、お友達に自慢したりはしないでくださいね。 (阿 』
メモの裏側に小さな箱がくっついていて、それを開けると花模様の指輪が出てきた。
小夜は左手の薬指にはめてみた。
「なぁ~~~んちゃって・・・て。あれ?はめるとぼやけてる。
そうか・・・私はぼんやり見えるけれど普通の人には見えない。
そういうことなんだわ。」