青い星と青虫と
小夜は市狼が冗談半分で言ったんだろうと思いながらも、もしかしてプライベートがすべて筒抜けになってしまう指輪だったら?と泣きそうになりながら教室へと向かうしかなかった。
((阿狼さんが私のプライベートすべてを把握するためのプレゼントなんて・・・そこまで失礼なことするんだろうか?))
小夜はそんなことはないと自分に言い聞かせながらも、確かめたい気持ちを抑えられず、紫音のいる美容室を訪ねた。
「やあ、来たね。・・・・・その顔は目的があって来た顔だな。」
「あなたが私にとって味方なのか、敵なのかを知りたくて。」
「ほぉ。好奇心旺盛なのはいいことだけど、俺の言ったことがわかってないらしいな。
まあ、目的地がここだからお仕置きはしないけどな。」
「な、何さまのつもりなんですか?」
「君の兄上を殺した英雄・・・。今度は君も殺すかもしれない。
いや、姫には俺の子を産ませるのが得策かな。
あ、とりあえず表向きはカットとブローでいいかな。」
「えっ・・・!
あの表向きはOKです。」
「素直すぎるな。でも、守りがいはありそうだ。
誤解されたままだと困るから言っておくが・・・俺が殺したのは皇太子ではなくて皇太子の器をとりこんでしまった大妖怪だ。
俺なりにルナドルートの伝説についても調べなおしたんだがな。
王族の反逆というのは、本当に皇太子が突然乱心したのではないんだ。
とっくに殺されて食われていたということなんだ。」
「食われた・・・!そんな・・・。」