青い星と青虫と

見る見るうちに紫音の腕が銀色に輝き始める。


「うそっ・・・こんなに輝くなんて、阿狼さんよりまぶしいかも。」


「あたりまえだろ。俺は銀狼種の直系だ。
俺の父は銀狼種の筆頭で、戦う者の先頭に立つ者だった。

阿狼は父の妾の子のひとりにすぎない。」


「ってことは紫音さんと阿狼さんは異母兄弟ってこと?」


「そういうことになるか・・・。
この人間界でよくあるような問題などはぜんぜんないからな。

妾腹の息子が多い方が家が繁栄するとされているし、本妻も妾も仲は悪くないのがケダモノ妖怪の普通だ。

だから俺は、阿狼を嫌ったり、憎んでもいない。

けどな・・・もしかしたらいずれ戦う相手になるかもしれんがな。」



「ど、どうしてなのーーーー?今、分家だ本家だってこだわらないって言ったのに・・・。」


「ああ。じゃあ、これから起こることについて姫が説明してくれないかな。」



「これから起こるこ・・・と?」



小夜が紫音の視線の先を見ると、怒った形相の阿狼が剣を振りかざしていて。


「小夜さんに何をした!!!!
同族の風上にもおけん。勝負だ。」



「阿狼さん・・・!違うの。
お願い。聞いて。」



「小夜さんは黙って。
動かないで、待っていてください。」
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