青い星と青虫と
翌朝からアパート内にも、生徒会室にも阿狼の姿はなくなっていた。
小夜は生徒会室の阿狼の席に座って、山になりつつある書類の一番下に目がいった。
「スケジュール表?・・・・・他の高校との交流っぽい予定が全部、『山』って・・・・・??」
そのとき、市狼が小夜に声をかけてきた。
「今頃、あのきれいな顔がズタボロになってるかもしれないな。」
「なっ!・・・中家先輩、阿狼さ、いえ、会長のことで何か知ってるんですか?」
「知っているというか、いろいろ押しつけられちゃったというかね。
まぁ・・・阿狼も武人、いや・・・戦うことを臨んだ狼だから。」
「どういうことなんですか?もしかして、私のせいで・・・。
私がどうしても拒絶しちゃうから。」
「ふ~~~~~ん。阿狼くんはそこまで姫を落としたいと望んでいたのかぁ。
案外、見かけによらずえっちだな。」
「なっ、中家先輩って何を言ってるんですか。
先輩じゃあるまいし、興味本位でベタベタするような人じゃ・・・。」
「ないって言いきれるのかい?
阿狼だってケダモノのオスだよ。
大切に思うならなおさら・・・手にいれてたくさん愛して、たくさん子どもをもうけるのが僕たちの生き方。
ほんとのとこ・・・王族の魔力とかで体をつくりかえられて寿命まで短くなるのは足がすくんでしまうよ。」
「あ・・・寿命が減る。」