青い星と青虫と
小夜は驚いて慌てて口を手でふさいだ。
「まさか、逆・・・で襲われてたの?」
「まさか・・・あはははは。
僕たちにも保護される部分はあるんだよ。
基本中の基本的なことだけど、僕たちは妖怪で武器を持っている。
武器は身を守るためのものでしょ?
だからねぇ・・・むやみやたらに本気にもなれないのよ。」
「市狼さんは武器をはずしたら毎日殺されちゃうから?」
「おいおい・・・。僕はそんなプレイボーイじゃないって。
真面目の好青年だっていつも言ってるじゃない。
小夜ちゃんだって見とれてくれたんじゃ?」
「う、うん。まさかあんなに槍を使うなんて想像できなかったし、気迫っていうか傍でそういうのを感じるのは初めてだったんだもん。」
「小夜ちゃんは素直でかわいい。
このままここで生徒会やっていられたら、ほんとに毎日が楽しいんだけどねぇ。
僕だって小夜ちゃんを速攻でデートに誘っちゃうのに。」
すると小夜はびくっとして市狼の顔を見た。
「王族の娘って好かれないんですね。
市狼さんは姫はダメ。ううん、守るものであって個人的お付き合いはしないものって線引きしているってことなんですね。」
「ごめんね。僕は弱いし、ずるい男だからね。
紫音相手に勝てるわけもなし・・・。
そう割り切る能力だって白狼種には必要なものなんだ。
働くことも遊ぶことも大好きな白狼種はね、戦闘能力は銀種よりも低くてね。」
「正直なところを教えてください。
私は故郷とみんなの命を救うためには紫音さんか阿狼さんと結ばれることがベストな選択なの?」