青い星と青虫と
小夜は生徒会や同じクラスの友達以外から声をかけられるのは、めずらしいことだったので目を輝かせて返事をした。
「ご意見いただけるんですか?
私でできることですか? あ、メモしますね。どうぞ!
苦情でもいいですから遠慮なくお願いします。」
「へぇ、驚いた。自覚ないんだわこのコ。」
「いいんじゃない、その方が。あたしはちょっとうれしいな。」
「????」
小夜は何の話なのかキョロキョロすると
「相楽先輩と中家先輩には業務上必要性ない限り近づくことを禁じます!
あんたは天然の転校生だから知らないだろうし、そこを他の役員にかわれたんだろうけどさ、おふたりはこの学校の憧れの王子様なんだから、かまってもらってヘラヘラしてるんじゃないわよ!」
「は、はぁ・・・。お仕事で迷惑かけないようにがんばりますけど・・・ヘラヘラはしてないはずなんですけどぉ。」
「十分ヘラヘラしてべたべたしてるって言ってるでしょ!
とくに相楽先輩のことを『阿狼さん』って呼んでるとこを目撃されてるんですからねっ!
なんであんたが『阿狼さん』なんて呼び方してるの!」
「それは・・・」
「それは阿狼くんがそう呼んでほしいと彼女に言ったからさ。
ついでに、もっと詳しい情報をあげるけど、阿狼くんは小さいときに亡くなった妹さんがいた。
そのコが彼女にとっても似てたんだなぁ。
これはかまってあげたくもなるじゃないか・・・。
養護教員の情報は確かな筋だけど、彼女をいじめたりしたら阿狼くんは怒るだろうなぁ・・・きっと。」