青い星と青虫と
5人は顔を見合わせてコソコソ話をしていた。
しばらくして、ひとりが言った。
「そういうことなら仕方がないわね。
でもね、役得だからって抜け駆けは許さないからね。
わかったら真面目に精進なさい!」
「はい。がんばります。」
5人はツンとしながら教室の方へもどっていった。
小夜は最後の1枚を保健室横に貼り終えて、自分も教室へもどろうとすると、保健室へと引っ張られた。
「何も言わずに帰るのかい?」
「あ、先生・・・。さっきのは?」
「風羽裕鷹が俺の名前。何か気付かないかい?姫。」
「姫って・・・。先生もルナドルートの妖怪なんですか。
ひろたか。ひ、ろ、たか・・・?鋭い目。ん~~~と。」
小夜がまばたきして、はっとする。
「鷹さんなんですね。茶色ベースに大きな翼が黒光りしてすごい!」
「阿狼を骨抜きにして、山送りか・・・。
なかなかやるね。
紫音の毒も抜いたとか。すばらしい能力だ。」
小夜は少し身の危険を感じて保健室から出ようとすると、出入り口に手が届かなかった。
「この空間は鷹の風結界で封じられてあるんだよ。
つまり、君は俺の手の内にある。
蜘蛛の糸にかかった昆虫みたいなもの・・・。ふふふ。」