青い星と青虫と
裕鷹は機嫌よく笑っている。
小夜が困惑した顔をしていると目の前にさっとハートのキャンディを置いた。
「ま、おひとつ、どうぞ。」
「先生?・・・体が自由に動く・・・。」
「狼たちに言いにくいことがあったら、いつでも話にきていいぞ。
俺には広めるところがないからな。
戦闘力も自慢じゃないが、市狼ごときをつぶすのは簡単だと言っておく。」
「聞き捨てならないなぁーーーーー!!!」
「えっ???」
小夜がもう何でも勝手にやってちょうだい状態の中、市狼の声がスピーカーから流れた。
「うっ、市狼にどうして?
ここは結界だってしてあるというのに。」
「だ~か~ら~~~~阿狼くんののぞきグッズをなめたらだめだって。
はい、小夜ちゃんはさっさとおうちへお帰り。
羽毛臭いおっさんの言うことなんてまともに聞く必要はないから、安心して帰っていいんだよ。」
「中家先輩?そののぞきグッズのことを、いい加減に詳しく教えてくださいよ。
そっちの方が私気になっちゃいます!
私にいったい何をしたんですか?
お願い、教えて?」
「ごめんね~~~それは阿狼と男の約束で言えないことになってるんだよぉ。
でも、君のためにならないことは絶対にないから、安心して。
僕たちは君の王子様だから。
じゃあ、おかえりはこちら~~~~~!」
保健室の出口が開き、小夜はさっさと廊下へと出ることができた。