青い星と青虫と

小夜はアパートに住んでいる相楽さんを思い浮かべる・・・。


「そっかぁ・・・ふふふ。阿狼さんにとっては地獄だったというわけね。」


夜はいくらメガネがあっても高校生の姿は保てないわ、見た目怪しげなフリーターじゃ・・・。



「ってことは・・・今年も阿狼さんにとってそのイベントは欠席決定ってこと?

運動会とイベントを別の日にするってできないのかな?」



「それはダメよ。
農家の人が多いから、午後にたくさん時間をとられるのはこたえることよ。」



「はぁ・・・。あわれ女生徒・・・。かわいそう。私・・・。」



結局、生徒会が出した結論は、昨年同様に運動会の後に歓迎パーティーイベントを入れるが、ダンスはなく、景品付きのゲーム大会をすることになった。

阿狼は夕方から母親の見舞いや介護で多忙なので欠席ということにした。



着々と運動会とイベントの準備も進み、市狼たちも結界付近を狙ってくる魔物を退治してこじんまりの学校の雰囲気は明るかった。


そして翌日が運動会という夜のこと・・・。




「明日なんだけど、朝からがんばってお弁当を作るからね。」


小夜の母はうれしそうに小夜に声をかけてきた。


「お母さん、そんなに無理しなくていいからね。
もう高校生なんだから、お弁当くらい私が・・・。!!

もしかして・・・お父さんも来るとか?そうなの?そうなのね。」


母は照れ臭そうに頷いた。

久しぶりの親子での食事。


小夜はわざと小学生気分になるのもいいかな~と思った。









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