青い星と青虫と
午後のプログラムの変更の放送が流れ、クイズ大会からくじ引きへとイベントの出し物が始まった。
あらかじめもう決まっている男子5名の中には阿狼と市狼も入っていた。
「神様!、相楽先輩か中家先輩でお願いします。」
「私は相楽先輩とワルツが踊ってみたいです。」
「私は中家先輩に抱きしめられたい・・・な~んてきゃあ!!!」
あちらこちらで1年女子の黄色い歓声がわきあがっていた。
小夜ももちろん、その中のひとり。
お昼の打ち合わせで市狼がくじに細工をしておいてやろうかと声もかけてもらったけれど、小夜はそこまでして阿狼にお願いをするなんて同じ1年の乙女として、人間界の普通の少女として醜い行いだと思ったのである。
「たとえ、他のコと阿狼さんがペアになっても、私の知ってる大人の阿狼さんが私のことを嫌いにならないでいてくれたらそれでいいもん。」
そんな中、司会の声が高らかに「相楽阿狼クンは青の4番。では赤の4番を引いたラッキー女子は!!! 1年あれ?・・・クラスが入ってないな。
あ?・・・失礼しました。幸運をつかんだ新入生はまさに今日この学校にやってきたばかりの 潮見佐織さん。
続きまして、中家一朗クンは5番で赤の5番は・・・A組の長浜小夜さんに決まりましたぁ!」
小夜は突然この場に呼ばれた潮見佐織の顔を見た。
田舎っぽくない顔立ち。
都会でモデルにならないかとスカウトされてもおかしくない感じのかわいい女の子だった。
笑顔もただかわいらしいのではなく、ちょっぴり小悪魔的ないたずらっぽい感じすらする。
市狼が小声で
「ラッキーも驚きだけど、この学校にあんなタイプが転入してくるのがびっくりだな。
で・・・小夜ちゃんは僕に何をしてほしい?
何でもOKだよ。」