青い星と青虫と

生徒会室の入り口にたどり着いた小夜だったが、鍵がかかっていて入れなかった。

そこへ市狼がきて小さな声でつぶやく。



「あの転校生だけど・・・人間じゃない。」


「えっ?」


小夜は市狼がご機嫌を取りにきただけだと思っていただけに、声をあげた。



「でも、目をつぶっても実体は見えなかったわ。」



「そこがちょっと、いや、かなりひっかかるんだけど、こちら側の人間じゃないことだけは確かなんだ。

物的証拠とか言われたら困ってしまうけど、白狼の勘っていうか、あのこね、俺の動きをかわしたから。」



「かわした?」


「うん、みんなにはきっと見えない速さなんだけどな、あのコの接近は風紀上悪いと部長なりに判断して、阿狼の前に手を出した。

でも、あのコは僕の手を簡単に払いのけて阿狼にキスしやがった。
そんなことが、普通の人間の女の子にできるわけない。」



「中家先輩・・・追っかけてきてくれてありがとう。」


「優しいでしょう、僕は。惚れちゃった?
願い事もっときいちゃうよ~~~。」



「べつに何もしてくれなくていいですって。」


「そうかな?なぁ・・・僕がお願いしたらきいてくれる?
いや、きいてほしい。

さっきのコが阿狼に何を仕掛けてきても、逆に阿狼があのコに特別っぽいことをするようなことがあってもあいつを信じてくれないか?」



「中家先輩・・・。」



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