青い星と青虫と
阿狼は小夜の耳元で話し始めた。
「私を何歳だと思っているんですか?
こちらの人間に換算できないほどなのです。
ルナドルートでは年齢など子をもうけられる目安程度のものですけど、私は小夜さんが赤ちゃんのときからお育てしてきたスタッフのひとりです。
生まれてからやっと16才の少女にあれこれ言い過ぎれば先生になってしまいます。
ましてや、恋愛の気持ちを伝えるなど・・・はずかしくて。
だから、小夜さんに思うことをたくさん言ってほしいんです。
小夜さんが慕ってくださるのも、嫉妬してくださるのもすごくうれしいのです。
私に言いたいことを飲み込むようなことをしないで。
どんなことでも知りたいんです。」
小夜はコクンと頷いてから話す。
「モテ会長は別の人って割り切って考えても、考えても、公認の彼女になれたらって思ってる私がいたの。
私の阿狼さんは大人なんだからって頭で言い聞かせても、目の前で佐織さんが「公認です」って言われたらその場にはいられなかったの。」
「小夜さんは欲張りです。
じゃ、いいことを教えてあげます。
姿はもちろん、学校での私は嘘ばかりです。
来年になってしまったら卒業です。
その前にあなたをさらおうと思うのですが、私にさらわれてくれますか?」
「嫌です。気持ちを伝えるのがはずかしいからさらいますよはダメです。」
「ふぅ・・・もう参りました。
どんな姿をしているときも、私は小夜さんを愛しています。
もう、勘弁してください・・・。ねっ」
「やったぁーーー!私の勝ち。
照れてかわいい阿狼さん、大好き!!
じゃ、今夜は帰るね。うふふっ」
あまりの小夜の無邪気さに顔を赤らめたまま茫然とする阿狼だった。