青い星と青虫と
小夜はドアの向こうを指差したが2人は見えない。
「その阿狼さんがドジを踏んじまったようだけどな。」
「まさか・・・倒されたの?」
「倒されちゃいないよ!阿狼が狙われて動けないだけさ。」
「市狼さん!で、阿狼さん動けないのに・・・私のせいで?」
「いいからすぐ戻るぞ。見ればわかることだ!」
紫音が先頭で雑魚妖怪をたたき、阿狼が居たところまでたどり着いたがその場に阿狼の姿がない。
「阿狼さん!どこ?答えて。・・・阿狼さぁーーん!」
小夜が大声で呼んでも反応がない。
「私を守ろうとして・・・。そんな。」
小夜が床に倒れ込んで涙を流したとき、若い女の声がして王宮の白い壁に映像が浮かんだ。
「あっ・・・阿狼さん!」
「なっ!何というはずかしい姿にさせられて・・・。
あ、あの女は1年の潮見佐織じゃないか!」
「戦闘姿もエレガンスでおしゃれな市狼先輩。
私はお気に入りなイケメンは傍に居てくれないとダメな女の子なの。
きれいでしょう。この銀色に輝く肌と憂いのある瞳。
鎧なんてつける必要はないわ。
さぁ、これからいいもの見せてあげるわね。」
佐織は阿狼の顎をすっとあげて唇にキスを何度となく始めた。
阿狼は体の自由を奪われているのか、動けずにいる。
阿狼の首筋から肩、胸へと唇でなぞっていく様子が映し出されていた。
「嫌っ!そんな・・・。やめて!」