青い星と青虫と
そして、その後まもなく、阿狼は木々の妖精たちによって外へ運ばれていくのが見えた。
「よし、今だ。姫、力を貸してくれ!」
「はいっ。市狼さん、私に触れてください!」
「えっ?小夜ちゃん・・・わ、わかった。」
スッ!!! パッ!
3人は一瞬で、さっき佐織が倒れ込んだと思われる部屋へと出た。
「テレポート??小夜ちゃん、そんなことできたんだ!」
「さ、小夜はこれをかぶって後ろへ下がれ。
ここからは俺と白狐がなんとかする。」
「聞き捨てならないな!僕は白狼だ。
くっ、ツッコミも言ってられない状況みたいだけどな。」
グオオオオオオオオオーーーーーーーーー!
突然部屋の床の下から飛び出してきた巨大な魔物。
「おい、白狐。おまえにはこいつの本体がどれかわかるか?」
「ああ。いちばんちっぽけな一番上のやつだ。」
「そうだ。見かけはちっぽけだが、気を抜くなよ。
あいつを小さくしたのは俺の母だ。
ここで倒しておかないと、姫があいつの宿主にされちまう。
俺は左、お前は右・・・それと白の意地を見せろ。」
「なんでおまえにそんな支持されなきゃいけねぇんだ。
白の意地なんてもんはな!・・・白の意地?そうか・・・
わかったよ。意地つらぬかせてもらおうじゃん!」
巨大な魔物はいきなり、小夜に向かって飛びついて来た。