青い星と青虫と

小夜は怖くて目をつぶったが、魔物が小夜に触れる前に市狼が小夜の手を握って、叫んだ。

「僕を移動させていって!」


小夜は言われるままに市狼にしがみつくと紫音の後ろへテレポートした。


魔物の腕が空をきり、後ろを振り向こうとする。


「よし!攻撃はこの一撃のみだ。
たあぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!」



紫音の剣が小さくなった魔族本体の心臓をえぐった。


「ギャアーーーーーー!よくも、私を・・・。
兄上・・・兄上・・・ぐぉぉぉ。」



紫音がえぐり取った魔族の心臓を剣で貫くと小夜の前に差し出した。

「食べるんだ。」


「えっ!魔族の心臓を食べるんですか?」


「正確には口をつければいいだけ。
そうすれば浄化されて俺の腕がまた銀色が増える。
それと、浄化してやらないと、阿狼にかかった呪いはとけないし、白狐の腕が黒く澱むことになる。」


「そ、そういうものなんですか。
紫音さんって敵のことをよく研究してたんですね。」


「研究なんてもんじゃない。研究は俺の家族・・・母さんや姉さんがしてたけどな、ルナドルートでいう魔族というのは、あっちの人間界で言われている悪魔の魔族とは違うんだ。
・・・・・あ、説明はまたあらためてしてやるから、まずは俺のいうとおりに浄化してくれ。」



「はい。・・・!あの、そこに倒れてる佐織さんですけど、あの人は?」



「魔族のエサ用の人間だな。でも生きているからとりあえず連れ帰ろう。
それと白狼の跡継ぎ、いい動きしてくれて助かった。ありがとな。」



「おまえに礼を言われる筋合いはない。
戦闘力は認めるが、小夜ちゃんを犯した罪は許さないからなっ!」
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