青い星と青虫と
小夜の母はにっこり笑って小夜の肩をポンポンっとたたいて出かけた。
「お母さん、お隣さんになんて言ったの?」
「あんたをよろしくってね。
相楽さんと仲良く星を見てるんだってお母さんは知ってるんだからね。
責任とってくれそうな人だし、がんばってね。」
「もう、お母さんったら!!」
小夜は本当のところは母に感謝していた。
これで阿狼と話すことができる・・・。
しかし、母が出かけてから2日たっても阿狼は家を訪ねてはくれなかった。
3日目になって、小夜は阿狼の部屋の前に座りこむと泣きだした。
「私だって、こんなに心配しているのに・・・。
紫音さんとキス以上しちゃったから完全に軽蔑されちゃったんだ。」
「違いますよ。・・・・・お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
私は解毒が済んでから、自分なりに修行というか、初心にもどって鍛えていたというか・・・。
自分で自分が許せないからあなたに会わないようにしただけです。
あのとき、私は何もできずに敵の術中にはまって毒で体の自由がなくなってしまっていました。
佐織さんについてもっと注意すべきでした。
自分の軽率さが嫌になって、紫音がいてくれてよかったとまで思いました。
皆殺し覚悟より、すべてがうまくいく方がいいんです。
だから、紫音が小夜さんを抱いても、それでいいとまで思った自分が情けなくて・・・。」
「阿狼さん、ご自分を責めないでください。
私も阿狼さんと同じことを考えちゃったんですよ。
ルナドルートの正しい再生のためなら、私なんて・・・って。
それで紫音さんに注意されちゃいました。」
「紫音に?・・・・」