青い星と青虫と

魔族と思われた男はにやりと笑って言った。


「俺はザキ。王族主体に食う魔族。
おまえが生き残りの姫だな。やっと見つけた。
俺の好物がな、食らい尽くしてなくなったんでな。

そこで・・・おまえにどんどん産んでもらうしかないというわけだ。
安心しろ、おまえを殺したりしない。
楽しい魔法をかけておまえとおまえに群がる男たちが快楽で満ち溢れるだけだ。
ふふふふ。」



「いや!私は子どもを産む道具にはならない。
魔法にかかる前に死んだ方がマシよ。」



「ほぅ。命乞いをするかと思えば、姫は死を恐れないというのか。
気にいった。
願いどおり、おまえを最後のディナーにしてやろう。
最後の晩餐はとてもうまそうだ。」



「私が食べられる・・・!」



小夜はザキの目が化け物の目となって自分を狙っていることに震えた。

((子どもをどんどん食べられながら、産んで生き長らえるか、今ここでさっさと死を選ぶか・・・。
防御反応もここまで強烈な魔族相手だと無意味過ぎて発動さえしない。

うう・・・。お父さん、お母さん、先輩・・・阿狼さん。))



「阿狼さぁーーん!」



声をつまらせながらも必死に阿狼の名を叫んだ。





「はいっ!遅くなってしまいました。
はぁぁぁぁぁーーーーーーー!」



ガシーーーーーーーン!!



「チッ、王族に群がる狼どもか・・・。
3匹相手じゃ、面倒だな。
ここでは消えてやるよ。」




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