青い星と青虫と
小夜の目から涙がずっとこぼれる。
「ごめんなさい・・・。
阿狼さん迷惑だったんですね。
それでずっと私の前からいなくなって・・・。」
「違うよ。小夜ちゃん、阿狼はあっちで戦ったり、妖精たちを避難させたりしてたからさ・・・ちょっとドジふんで怪我したりさ。
あ、そっちは副会長が何とかしてたから気にしなくて・・・!」
「副会長さんなんですね。
私にできることは王族になる人間を作って産むことだけ。
市狼さん・・・私がどうすればいいか教えてください。
何でも従います。
でないと再生しないんでしょう。
結界が壊れたらさっきのような魔族がたくさんなだれ込んでくるんでしょう。」
「小夜ちゃん、投げやりになっちゃダメだよ。
確かに僕らの世界は危ういことになっちゃってるけど、だからって小夜ちゃんが犠牲にならなくてもいいって話をしてたんだ。
この1週間でいっぱい勉強したじゃないか。
王族の生き残りは小夜ちゃんひとり。
ルナドルートにいる人間はいくらか存在はしているが、みんな召使ばかりで王様の器のある者は見受けられなかったんだ。
ってことは、妖精、妖怪の中から小夜ちゃんのお相手を決めるしかない。
ただ、それには1つ問題があってね。」
「問題? セックスすれば人間になるんじゃないの?
紫音さん、この間・・・そう言って私のこと。」
「あれは、ハッタリだ。
俺が人間と勘違いしてくれたから、作戦が成功しただけ。
化身のままでは、できないんだ。じつは・・・」
「え、ええっ!!!
ってことは、阿狼さんともできない・・・。」
「小夜ちゃん、完全にダメってわけじゃないんだ。
すべては君の気持ちしだいなんだよ。」