青い星と青虫と
小夜は市狼にそう言われて、きょとんとした。
「私の気持ち?」
「僕たちの立場での問題点はね、王になるために妖怪としての寿命を捨てることができるか?ってことでね。
戦ったり、殺されたりしてしまえばもちろん寿命なんてなくなるわけだけど、うまくすれば狼妖怪としての長い寿命を生きることができる。
王族の3倍は生きられるからね。
で、小夜ちゃんからみた問題点は、僕たちの誰かを夫とするには、僕たちの実体、つまり狼そのものの姿。小夜ちゃんが目をつむって見える僕たちの肉体と交わる必要がある。
恐怖だろ。」
「あ・・・・・。うん。」
「しばらく時間が必要・・・。僕はそう思う。」
「でも最悪は!私・・・私は覚悟はできています。
相手の方は決めてきてください。」
「小夜ちゃん・・・。」
「小夜に覚悟があるなら十分だ。
もう泣くな。いざというときはこの前の続きをやる。
今、決めた。」
「えっ・・・紫音さん!?」
「俺では不服かな。知ってると思うが俺は銀狼族頭首の直系の息子で、騎士としてやってきた。
妻にした雌は過去に4人。ひとり病死であとは戦いで死んだ。
子どもは2人いたが、もういない。
これで俺の個人的なことはすべてだ。隠し事はない。
今は無理強いするつもりはないが、ルナドルートにはまだたくさんの命が残っているからな。
その命を救うためならばな・・・。
それと・・・俺は小夜ならば・・・」